長く暮らしていると、雨漏りなどの不具合が起こったり、介護が必要な親のためにバリアフリー化したり、何らかのリフォーム工事に迫られるものです。快適な生活の維持には、どうしても欠かせないプロセスでしょう。できるならお得に済ませたいのが人の常です。今回の記事では、リフォーム時に活用できる尼崎市の補助金制度について解説します。
尼崎市のリフォームに適用可能な補助金制度
尼崎市といえば、神戸はもちろん、大阪や京都にもアクセスしやすい街として知られています。何かと便利なところですが、リフォーム検討中のみなさんにとっては、補助金制度のことがまずは気になるはずです。
はじめに紹介したいのは、子育てファミリー世帯及び新婚世帯向け空家改修費補助事業です。
これは文字どおり、子育て世帯や新婚世帯が一戸建ての空家に暮らす場合、市側が改修工事費の一部を負担する制度のことです。
補助対象となる住宅は、一戸建てであること、耐震性能に関して、確認済証の交付日が昭和56年6月1日以降であることなど、設定された複数の条件をすべて満たす必要があります。
補助金額は、改修工事費に2分の1を乗じて得た金額で、最大で50万円までです。子育てや新生活などでいろいろとお金のかかる世帯には、見逃せない制度といえるでしょう。
このほかにも、分譲マンション共用部分バリアフリー化助成事業や空家エコリフォーム補助事業、住宅改造費の助成、省エネ改修工事に伴う減額など、リフォームの手助けとなる仕組みが用意されています。
成立条件や補助金の上限額、あるいは、適用期間などについては、それぞれ違いがあるので、申請する前に必ず確認してください。
尼崎市で助成対象のリフォーム内容
では、リフォームの内容には、どんなものがあるのでしょうか。
たとえば、前述した子育てファミリー世帯及び新婚世帯向け空家改修費補助事業を例にとってみましょう。補助対象となる工事は、対象住宅の機能回復、設備改善に不可欠なことが大前提になっています。
そのうえで、以下に挙げる項目に当てはまらないものが指定されています。それは、電力、ガス、上下水道の工事をはじめ、壁や天井と一体になった設備機器や照明器具の工事、ガスコンロや電磁調理器、食器洗い器などでビルトインタイプになっていない器具の工事などです。
一方で、分譲マンション共用部分バリアフリー化助成事業については、段差解消のためのスロープの導入、階段や傾斜した廊下の手すり設置、階段を滑らないようにすることなどがあります。
ちなみに、助成対象工事費による定額制となっていて、限度額は30万円です。
住宅改造費の助成も、バリアフリーの観点から、浴室や洗面所、トイレ、居室、台所の手すりの設置、段差の解消などが含まれており、助成限度額は100万円です。
要介護、要支援の高齢者がいる家族にとっては、ぜひとも利用したい制度かもしれません。
さらに、省エネ改修工事に伴う減額は、窓や天井、壁、床の断熱性向上を目指すもので、改修工事完了後、居住用部分に係る固定資産税の3分の1が減税されます。
尼崎市のリフォームにおける補助金の申請方法
尼崎市に限ったことではなく、リフォーム時の自治体の補助金申請は、着工前に済ませておきましょう。この基本を怠ってしまうと、当てにしていた補助金が適用されなくなります。
また、申請が受理されるまでには一定の日数がかかるため、余裕をもった申請を心がけることが大切です。
とくに注意したいのは、申請期間中であっても、自治体側の予算設定を超えてしまうと、受付自体が終了になること。期間の日付に気を取られ、油断していると、あとで痛い目に遭う場合もあります。
子育てファミリー世帯及び新婚世帯向け空家改修費補助事業では、申請時に、補助金交付申請書をはじめ、実施計画書や構成員全員の住民票の写し、さらに、補助対象工事に要する費用の見積書の写しなどが必要です。
子育て世帯は母子手帳の写し、新婚世帯は申請者および配偶者の戸籍謄本をそれぞれ準備しておきましょう。
補助対象工事が完了すると、工事完了届出書、実施報告書などを一緒に提出することになります。
尼崎市のリフォーム業者の多くでは、見学会も実施しています。参加すれば、今後の生活がより具体的にイメージできるようになるかもしれません。
まとめ
リフォームにはそれなりの費用がかかります。全面増改築にもなれば、今後の家計にも響きかねせん。ある程度、負担をおさえるためにも、自治体が提供する補助金制度を賢く使いたいものです。今回の記事では、尼崎市における補助金制度の数々を紹介しました。子育て世帯や新婚世帯にうれしい空家改修費に関するものや分譲マンションでの共用スペースのバリアフリー化、あるいは、要介護、要支援者のための住宅改造費など、さまざまな制度があります。
補助金制度を利用する際に気をつけたいのは、リフォーム工事が始まる前にきちんと申請を終えておくことです。自治体の都合上、予算範囲をオーバーした時点で受付が締め切られることもあわせて覚えておきましょう。