古くなった階段は見た目だけでなく機能性も低下し、転倒などの事故に繋がる可能性が高まります。リフォームは見落とされがちな箇所ですが、定期的な点検と修繕をするのがおすすめです。本記事では階段のリフォームについて、種類やメリット、注意点を詳しく解説します。リフォームを実施して、階段の安全性を高めましょう。
階段リフォームの種類
階段のリフォームには、いくつかのアプローチがあります。リフォームで設置できる階段には、主に5つの種類があります。
・直線階段:最も一般的で、1階から2階までまっすぐ伸びている
・かね折れ階段:途中で90度曲がり踊り場がある
・らせん階段: 柱の周りを円を描くように曲がりながら登る
・スパイラル階段:らせん階段に似ているが少ないスペースで設置できるもの
どの種類の階段にするかは、設置スペースや予算、デザインの好みなどで決めましょう。
階段リフォームの手法
以下では、主なリフォームの手法について説明します。
踏み板・手すりの交換
最も手軽なリフォーム方法は、傷や汚れが目立つ踏み板や手すりを新しいものと交換することです。この方法は比較的安価であり、工期も短いため、手軽に階段の見た目や安全性を向上させられます。
踏み板の素材を変更することで、滑りにくい表面にすることも可能です。デザインを変えれば、部屋全体の印象を刷新できます。
階段自体を撤去・新設する
階段の構造やデザインを根本的に変えたい場合は、既存の階段を撤去し、新しい階段を設置する方法があります。この方法は費用が高くなりますが、自分の理想とするデザインや機能を備えた階段を手に入れることが可能です。
なお、ロフトのような階段があるタイプや、吹き抜けで天井が高い住宅は階段作成の自由度も高めです。階段の新設に関する条件が満たしやすく、螺旋階段などの特殊なタイプも設置できます。
その他のリフォーム
階段の幅を広げる、踊り場を設置する、照明を追加するなど、多種多様な階段リフォームが考えられます。階段の幅を広げることで、荷物を持っての移動がしやすくなり、踊り場を設ければ、安全性が向上するでしょう。
階段の各段に照明を設置することで、夜間の利用がより安全になります。また、住宅の外に階段を取り付ける「外階段リフォーム」も人気があります。2階部分にも玄関を作れるため、とくに2世帯住宅を作りたい方に人気があるリフォームです。
階段リフォームのメリット
階段のリフォームには、多くのメリットがあります。本章では階段リフォームの主なメリットについて詳しく説明するので、ぜひご覧ください。
見た目・機能性の向上
階段のリフォームにより、傷や汚れが目立つ古い階段を新しく美しいものに変えることで、部屋全体の印象が大きく変わります。新しい素材やデザインの階段を選べば、家全体の雰囲気を一新できるでしょう。
滑りにくい素材の踏み板を使用したり、手すりを増設したりすれば、安全性と快適性も向上させられます。とくに、小さな子供や高齢者がいる家庭では、安全性を向上させるために階段リフォームをするのがおすすめです。
勾配が強すぎる場合や、階段の色が暗く視認性が悪いときにもリフォームを検討してください。体にかかる負担を減らし、階段で転倒する可能性も下げられます。
資産価値の向上
階段のリフォームは、建物の資産価値を高める効果もあります。耐久性を高めた新しい階段がある家は、長期的なメンテナンスコストを削減できるからです。
バリアフリー化
階段のリフォームは、バリアフリー化にも大いに効果があります。段差をなくしたり手すりを設置したりすることで、高齢者や障がい者の方でも安全に階段を利用することが可能です。バリアフリー化された階段は、家族全員が安心して生活できる空間を提供します。
近年では高齢化が進んでおり、バリアフリー住宅は資産価値が高いです。将来的に家を売却する際にも、階段のバリアフリー化を実施した住宅は高い評価を得られるでしょう。
階段リフォームの注意点
階段リフォームをする際には、原則として位置変更ができない点に注意が必要です。住宅の構造上、多くの場合階段を取り付けられる位置は決まっています。天井の高さでリフォームの制約が出る可能性も高いため、どの程度の改築ができるかは業者に相談をするのがおすすめです。
また、階段リフォームで大がかりな改築をする場合には、住宅に関する確認申請が必要なケースも考慮しましょう。構造を大幅に変えるような場合には、階段リフォームの際に申請が必要になりやすいです。
なお、工事中は階段を一切使えないため、2階にはアクセスできなくなります。荷物の移動や居住スペースの確保などは、リフォーム前に徹底しておこないましょう。
まとめ
階段のリフォームは、見た目や機能性を向上させるだけでなく、バリアフリー化を実現し、資産価値を高める効果があります。古くなった階段を新しくすることで、安全性と快適性が向上し、家全体の雰囲気を刷新できます。また、バリアフリーの観点を考慮することで、高齢者や障がい者の方が安心して利用できる階段を実現できます。階段のリフォームを検討する際には、これらのポイントをしっかりと理解し、自分に合ったリフォームを選びましょう。リフォームを通じて、安全で快適な生活空間を手に入れ、建物の資産価値を高められます。