自宅が古くなり、使い勝手に不便が生じると「そろそろリフォームをしようかな」と考える方が多いでしょう。その際、「リフォームに家の図面って必要なのかな？」と悩む方は少なくありません。また、築年数が経っていると図面をもっていない方も多いです。そこで今回は、リフォームにおける図面の役割を解説します。
リフォームの際に図面は絶対必要？
間取りを変更するほどの大掛かりなリフォームを行うときは、図面が必要です。一方で、壁紙の張り替えや外壁塗装などのリフォームでは、図面は必要ありません。大掛かりなリフォームを行う際に必要となる図面は、以下の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
設計図
設計図は、住宅のデザインを設計した図面です。設計図には、住宅や設備に必要な寸法が明確に表されています。設計図は、建築士やデザイナーといった設計者が作成するものです。
施工図
施工図とは、実際の住宅の形状、寸法、使用している部材などの詳細が記されているものです。設計図は家全体のデザインなどを表しているのに対し、施工図は施工するために必要な図面となります。施工図は、施工管理者が作成するものです。設計図よりもさらに詳しい住宅の情報が記載されているため、リフォーム時に大きな役割を果たしてくれます。
特記仕様書
特記仕様書は、施工に必要な材料の規格や品質を表した書類です。材料の規格や品質は図面では表しづらいため、特記仕様書に詳細を記載します。
リフォームにおける図面の役割と重要性
ここからは、リフォームにおける図面の役割と重要性を見ていきましょう。
図面をもとにリフォーム図面を作る
大掛かりなリフォームを行うとき、リフォーム業者は、図面をもとにリフォーム図面を作ります。今の住宅はどのような設計となっているのか、目に見えない部分まで表されている図面を見ることで「どこまでのリフォームが可能か」が判断できるのです。
そのため、リフォームを行うときは、図面をもとに顧客と打ち合わせをし、リフォーム図面と施工図を作っていきます。
瑕疵担保責任トラブルを防げる
図面は、瑕疵担保責任トラブルを防ぐためにも必要です。瑕疵担保責任とは、リフォームを行ったあとに欠陥が見つかったとき、リフォーム会社が責任を負うことを指します。
ここで図面がないと、リフォームを行ったあとに見つかった欠陥が「リフォームの施工ミスによるもの」なのか「もともとあった欠陥なのか」が判断できないのです。図面は、このような瑕疵担保責任トラブルを避けるためにも重要な役割を果たします。
万が一のリスク軽減
図面がない状態でリフォームを施工すると、元の家の状態がはっきりわからないまま施工をするため、家に不具合が生じるリスクが高くなってしまうのです。万が一のリスクを避けるためには、元の家の状態を知るための図面は必要不可欠といえます。
図面がないときのリフォーム
築年数が経った家の場合、図面がない家も多いでしょう。そのようなとき、リフォームはできないのかというと、答えは「NO」です。現状図面がなくても、リフォームはできます。ここからは、図面がないときのリフォームについて詳しく見ていきましょう。
新たに図面を作成する
図面がないとき、新たな図面を作成します。実際の間取りを実測して、1から図面を作ってもらいます。また、リフォームの内容によって建物内部の構造などを調べるときは、壁や床を剥がして調査することが多いです。ただし、築年数が経っている住宅のとき、基礎や構造の状態を見ることが多いため、費用に大きな影響はありません。
図面がないときは経験豊富なリフォーム業者を選ぼう
前述しているように、図面がないときは、リフォーム業者などに図面を図面を作ってもらいます。
そこでポイントとなるのが「経験豊富なリフォーム業者を選ぶ」ことです。現地調査をもとに図面を作成するには、それなりの知識と経験が必要になります。そのため、正しい図面を作成するためにも、経験豊富なリフォーム業者を選びましょう。
図面がなくても費用は高くならないことが多い
図面がないことで「追加費用が発生するのでは」と不安になる方も多いでしょう。しかし、図面がなくても追加費用が発生することはあまりないので、安心してください。リフォーム前の現地調査は、図面があっても行うものです。
また、築年数が経った家では図面がないケースも多いので、リフォーム業者も慣れています。よほど特殊な構造の家ではない限り、追加費用は発生しないでしょう。
まとめ
リフォームの中でも、間取りを変えるような大掛かりなリフォームを行うときは、図面が必要です。図面があることで、適切なリフォーム計画を立てられて、リスクを回避しながらリフォームを進められます。「リフォームをしたいけど図面が見つからない」という方も、図面を起こしてもらえばリフォームは可能なので、安心してください。図面をもとにリフォームをして、今よりもっと快適な暮らしを実現しましょう。
